奥多摩・三頭山 新緑のブナ林
多摩川水系の上流域、奥多摩。東京の水源地であることからよく保全された森林が広がっています。その主稜線、山梨県境に位置する三頭山(みとうさん)のブナ林が今回の目的地。
5月の好天の一日、日帰りで出かけました。
8時、登山口に到着。標高1000m。新緑の季節だけあって駐車場はすでに混雑。ここは「東京都檜原都民の森」として面積約200haの森林が公園・水源の森として管理されています。
最初は舗装路の歩き。すぐに大径木があらわれました。都民の森の約4割が天然林なのだそう。多くの探索コースが設けられ、各種のイベントも盛んに行われているようです。
拠点施設の「森林館」に立ち寄った後、ウッドチップが敷かれた歩道を進みます。しばらくは等高線に沿って平坦。
ヤマシャクヤク。
ケヤキ。
イヌブナ。
ミズナラ。
ミズメ。
ケヤマハンノキ。
アカシデ、クマシデ。
サワシバ。
ホオノキ、ミズキ。
トチノキ。
ハリギリ、コシアブラ。
アワブキ。
エゴノキ。
オオバアサガラ、アオダモ。
モミ。
ツガ。
カヤ。
ヤマグルマ、イヌツゲ。
途中、橋をわたると「三頭の大滝」。
アブラチャン、ダンコウバイ。
フサザクラ。
ウリノキ、リョウブ。
タマアジサイ、コアジサイ。
ツルアジサイ、ノリウツギ。
ムラサキシキブ、ニシキウツギ。
ニワトコ。
ヤマブキ、シモツケ。
「ブナの路」と名付けられたコースへ。標高差200mほどの区間はずっと沢沿いを登っていきます。
大径木が多く、すばらしい林相。
カツラ。
シオジ。
稚樹もありました。
サワグルミ。
ところどころに若い一斉林も。
オヒョウ。
看板。日本に自生するカエデ属24種のうち、都民の森では17種が見られる旨の説明。豊富です。
イロハモミジ、オオモミジ。
コハウチワカエデ、オオイタヤメイゲツ。
ヒナウチワカエデ。
テツカエデ、ウリハダカエデ。
アサノハカエデ、カジカエデ。
イタヤカエデ、エンコウカエデ。
チドリノキ。
ヒトツバカエデ。この道沿いだけで13種でした。
標高1430mのムシカリ峠に到着。
ムシカリはオオカメノキの別名。ちょうど花期でした。
ミヤマガマズミ。
山頂にむかって登ります。二次林のような林相の箇所も混じっていますが、いよいよブナ林。
林床植生は豊富ではありません。シカの影響もあるかもしれませんが、以前からササの分布は限定的なのだそうです。ただ、稚樹もそれほど多くありません。
ブナ、尾根上に出てから大径木も含め目立つようになりました。
ミズナラも多く出現。
ひときわ鮮やかな色合い。
トウゴクミツバツツジ。
歩き始めて2時間ほどで、標高1531mの三頭山山頂。西側が開けて富士山がきれいに望めました。
ここからは尾根を東に進みます。混交林の中。
尾根上にはアカマツ。
モミ。
山頂付近にはダケカンバがありました。
引き続き、ブナ林。
イヌブナも。
ミズナラ、ハリギリ。いい森を満喫。
下り道。
ヤマザクラ。
ウワミズザクラ。
シナノキ。
ヤマボウシ。
ナツツバキ。
鞘口峠に到着。標高1140m。ここから登山口まで20分ほどで戻れるのですが、もう少し歩くことに。
100mほど登り返して尾根を進みます。峠の周辺では人工林も多く見られました・「都行造林地」の看板。45年生のヒノキ林。
「里山の路」と名付けられたコースをたどります。
名前のとおり二次林が続きました。
チゴユリ。
優占していたのはクリ。ときに大径木も。
ケヤキ。あがりこ樹形が見られました。
ミヤマザクラ。
シラカンバが出現。
そしてオノオレカンバも。
カエデは変わらず豊富。イロハモミジ、コハウチワカエデ。
ヒナウチワカエデ。
ウリハダカエデ。
ハウチワカエデ。今日は初出。
ウリカエデ。こちらも加えると、今日出会ったカエデは15種でした。先ほどの看板に照らすと、他にコミネカエデとメグスリノキがいたよう…
ときどきモミの大径木。
そしてハリモミが出現。
球果。部分的に密度が高い箇所もありました。
サンショウ、タカノツメ。
リョウブ。
ヤマツツジ、アセビ。
鮮やかな色合いをたのしみながら。
急斜面、ヒノキの人工林を下りました。
下山。炭焼き小屋が復元されていました。都民の森の立派な施設を通って、駐車場へ戻りました。
払沢の滝
帰りがけに、村内の名所、払沢(ほっさわ)の滝の歩道へ。標高300mほど、都民の森からは700mも低地になります。
滝までは15分ほどでした。よく整備された道。
シラカシ。
クリ。
ヤマグワ 、ミズキ。
ウリノキ。
タマアジサイ、ガクウツギ。
ノリウツギ、ヒメウツギ。
ムラサキシキブ、コクサギ。
ハナイカダ。
タラノキ、モミジイチゴ。
車窓からは満開のフジが目立ちました。
交通アクセスもよく、季節を変えて何回も来てみたい森をたのしみました。
